この記事は2019年7月に作成されたものです。
状況が変わったり、リンク先が変わっている場合があります。- 2019年2月6日(水)24時〜オンエアの一部とインタビューに基づいた記事です(敬称略)
- 2月13日(水)24時〜再放送
- 2月20日(水)24時〜再放送
- 2月27日(水)24時〜再放送
2019年2月のゲスト・マイノリティさんは、
メイクアップアーティストの広瀬由佳さんでした。
広瀬さんはトニータナカビューティースクール卒業後、関西を中心にフリーランスのメイクアップアーティストとして、メイク、ヘアーを中心にネイル、着付け、スタイリングの分野でも広告や雑誌、WEBやCM、TVやショーなどを中心に国内外問わず活動中です。
他にも、ダンサーや巫女という肩書きをお持ちです。
目次
「ヘアメイク」と「メイクアップアーティスト」の違いは?
RiN:私と由佳ちゃんは結構古い仲になりますね。今まで何度か一緒にお仕事をしたことがしたことがあって、こちらから由佳ちゃんに「ウェディングフェアでのモデル」を依頼したこともあったので・・・モデルもやってますね(笑)
広瀬:ふふふ(笑)
RiN:由佳ちゃんのことは「ヘアメイクさん」と呼んでいるけど、正式には「メイクアップアーティスト」なんですよね。
広瀬:そうですね。どちらに重きを置くかでもあるんですけど、例えばヘアのスタイリストさんなのかとか、そういうことで言い方が変わる時もあって。
RiN:厳密に言うと微妙に違ってくる?
広瀬:日本はそこまではっきり分けていないので一緒のような感じなんですけど、割とヨーロッパとかアメリカだと分業制なので「ヘアメイク」というのがないのかもしれない。「スタイリスト」「メイクアップアーティスト」というふうに分かれるんだと思うんですけど。
RiN:ヘアメイクの他にネイルをやってもらったこともありますね。
広瀬:最近はネイルはあんまりしてないんですけど、昔は結構してましたね。
RiN:着付けやスタイリング、メイクの講師をされてたり。お仕事も凄いですよ。スポーツブランド「Nike」の撮影ヘアメイクを担当したり。この時はサッカー日本代表の選手の方ですよね。
広瀬:そうですね。大体スポーツメーカーさんだと野球選手やサッカー選手は、やはりプロの方が来られるので。
RiN:誰も知らない人は連れて来ないですよね(笑)。
広瀬:でも逆にそういう方面の知識に疎くて、初めて知って、やっぱり担当させていただくと仲良くなるので、そこから応援する(笑)。
RiN:わかる(笑)。
広瀬:だからその人しかわからない(笑)。ワールドカップもその人だけ応援するみたいな(笑)。
RiN:さらに2008年にオリンオリンピック公式BOOKにおいて、一部ヘアメイクを担当。撮影は篠山紀信さん。これは誘致活動をしていた時のもの?大阪?東京?
広瀬:オリンピックがあるときに選手の紹介をする公式ブックというグラビアのブックが出るんですけど、日本で開催するとか関係なしに多分、オリンピックを盛り上げようとか選手の宣伝だったりと思うんですけど。
RiN:2008年の時はどこだ?
広瀬:忘れちゃった(笑)。
RiN:忘れるよね(笑)。自分がやってきた仕事も、何やったかなぁ?とか(笑)。
広瀬:オリンピックだったな、というのは覚えてるんですけど(笑)。
RiN:メイクアップアーティストとしての初めてのお仕事はどんな感じでしたか?
広瀬:それまでも、1人で(現場に)行くようになるまで先生や知り合いの方にアシスタントとして連れて行っていただいていたので、そんなに初めての現場という感じはしなかったんですけど、(初めての仕事は)多分なんですけど、昔『KANSAI1週間』という雑誌があり、それのモデル撮影で行ったと思うんですね。その頃は『KANSAI1週間』でずっとモデルとかタレントさんの撮影で呼んでいただいていたので。
RiN:時代的にも良い時代。ちゃんと紙の媒体でね。
広瀬:そうですね。
RiN:私みたいなデザイン系の仕事と、意外と共通する点があるというか。
広瀬:私たちが撮影したものをその後、デザイナーさんに投げるっていう感じですね。
RiN:メイクアップアーティストになろうなろうと思ったのは、何かきっかけとかあったんでしょうか。
広瀬:実は小学校の3年か4年くらいの時に、なりたいなって思ったんですよ。
RiN:早い!
広瀬:ただその時は最初テレビで特殊メイクの「これはこうやって作るんですよ」みたいな、ハリウッドのものを流していたんですよ。それを見て、「あ~凄い」と思って。だから最初は特殊メイクをしたいと思って、この業界に興味を持ったんです。その中で(メイクの)スクールに入ったりして実際にハリウッドの工房も見に行かせてもらったんですけど、ちょっとその頃までくると自分のやりたいことと、工房で実際にものを作るのはちょっと違うなと違和感を感じたんです。私はやっぱり人の顔に直接、技術を施したりするのが好きだったので、今でもメイクで傷を作ったりとかしているんですよ。そっちが好きで。
RiN:ハロウィンの時などにやってますね。
広瀬:結局そちらの方にも少し関わらせてもらっているんですけど、ホラー映画のメイクをさせていただいたり。
RiN:ちゃんと繋がっていくんですね。
広瀬:結局、興味を持っているから自分で研究したりしていると、やっぱり面白くて。ホラー映画でも多分私の質問の仕方がおかしいんでしょうね。「こんなの作って」って言われても、「それは右から刺されてるんですか?左から刺されてるんですか?」とか。「何で刺されているんですか?」とか(笑)
RiN:こだわりがね(笑)。
広瀬:全然それで変わってくるんですよ~みたいな。
RiN:わかる。でもこちらが凄く力説しても、ポカーンとされたりとか。「はーそうですか」みたいな返事が返ってきたり(笑)。
メイクアップアーティストになるには?
RiN:美容系のスクールに入学したのはいつですか?
広瀬:短大を卒業してからメイクスクールに行きました。
RiN:美術系の学校でも入学の実技試験みたいなものがあるんですけど、メイク技術のテストみたいなものはありましたか?
広瀬:美容学校やメイクスクールはそういうのは一切なくて。
RiN:じゃあ入学してから身に付けると。
広瀬:一応は習いますけど、どなたでも(メイクアップアーティストに)なれます。
RiN:そんなに深く悩まずに、とりあえず入ってしまえば。
広瀬:興味があれば飛び込んできてもらうのもいいと思います。
RiN:年齢制限はありますか?
広瀬:特に(年齢制限は)なくて、私が行ってたスクールにも自分の仕事を引退されて40代から来られる方もいらっしゃいました。
RiN:副業とか働きながら通ってる人もいましたか?
広瀬:通信教育の美容師さんとかだと、そういう方もいると思うんですけど、メイクスクールはわりと日中なので働きながらだと、例えば会社との組み合わせで出来るかもしれないですね。
RiN:夜勤だったり、なかなかハードだと思いますけど、やろうと思えば(働きながらでも)不可能ではないという感じなんですね。メイクアップアーティストになろうと思ったら、やっぱりまずはそういう(メイクの)学校に入るんでしょうか。
広瀬:まずはスクールに入って、きちんと基礎的なことは学んだほうがいいと思います。普段、私たちもみんなそうだと思うんですけど、一般の人たちはちゃんと(メイクを)習ったことがないじゃないですか。
RiN:そうなのよ。
広瀬:見よう見まねとか(やり方を)聞いたり。
RiN:本当に。正しいやり方がわからない。
広瀬:雑誌のやり方を見ても、いまいちわからないと思うんですよ。
RiN:全然わからない(笑)。
広瀬:一般の方ならそれでいいと思うんですけど、やっぱり私たちはプロとしてやっていくので、知識として本当は皮膚生理学からちゃんと習ってほしいですし、お顔の凸凹とか立体とかそういったことを、筋肉、それから骨。その上に張っている皮膚の上のお絵かきだと思っている人が多いんですけど、そうではないので。
RiN:平面じゃないもんね。
広瀬:そうなんです。そこまできちんと学んでいただきたいなとは思います。
RiN:絶対疲れてるやろうっていう時とか、一緒の現場でも私はソファーでグッタリもう無理ってなっているのに、由佳ちゃんは絶対に寝ないし、「疲れた」って言ってるけど顔はやっぱりすごく笑顔で周りが明るくなるし、きっと普段も仕事でも周りのこととかも考えて、笑顔を絶やさんようにしてるのかなあ、って思ってるんだけど。でもその笑顔の裏で結構Sっぷりを発揮する時があって、そういうところが大好きです(笑)。
広瀬:アハハハ(笑)。本当ですか~? 一応自分が一番楽しもうと思っているので(笑)。
RiN:メイクスクールを卒業して、そこから就職するなり、由佳ちゃんみたいにフリーランスになったり、いろいろあると思うんですけど、最初は何もない状態から始まると思うんですけど実際どういう風にお仕事を受けて行ったというか、どういう風にやっていったんですか?
広瀬:スクール生の頃から撮影に行かせていただいた時の縁ですとか、その後一緒にお仕事をさせていただいたカメラマンさんであったり、スタッフさん達の本当に縁で、その方たちがまた仕事をするときに呼んでいただいて、その中のメンバーが違う仕事をするときに呼んでいただいて、またそこの人たちがという感じでどんどん数珠つなぎで紹介していただいて、本当にもう感謝でしかないです。本当に。
RiN:わかる。本当にわかる。お互いに紹介しあったり、紹介するし、されるけどやっぱり信頼関係があってこそだから。私も(デザインの)講師の仕事をするにあたって、以前は「頑張って学校に通って勉強するぞー!覚えるぞー!」っていう人が多かった印象なんだけど、もう何なら学校とか別に行かなくても独学でできるやんって。今はYouTubeとか見たら全部アップされてるじゃんみたいな人が増えてきたなぁと思うのよ(笑)。でもね、やっぱりプロを目指すなら学校へ行ってほしい。
広瀬:そうですね。ちゃんとした知識を身に付けていないとやっぱりトラブルの元にもなると思いますし、人の肌に触ることなので、そこはちょっとセンシティブに考えては欲しいなと思います。
RiN:(メイクアップアーティストに)興味のある方は、是非ぜひそういった学校の方へ。そうするとまた巡り巡って由佳ちゃんの元で勉強することもあると思うので(笑)。
持病や障害、ハンディキャップがあってもメイクアップアーティストになれる?
RiN:メイクアップアーティストさんって立ち仕事が多かったりロケハンとか移動も多いイメージですし、例えば体に障害とかハンディキャップがあったり、持病のある人でも頑張ってやってみようかな?となった時ときにやっていけるものだと思いますか?
広瀬:私たちみたいに現場に出るメンバーだと、やっぱり体力・気力が一番いるんですね。だから何が1番大変かと聞かれると、「力が要ります」と言います。荷物も重いですし、山を登れと言われたら登りますし、海に出ろと言われれば一緒に出ますし。なので、そういった意味ではちょっと体力・免疫力が心配な方だとダメージがあるかもしれないので、(やっていくならば)スタジオワークですね。今だと写真館みたいなところがたくさんあると思うので、そういうところのほうが安心して働いていただけるかもしれないですね。
RiN:同じ仕事の中でもいろんな分野とか働く場所があって、その中で自分にできそうなところを見つければできるかもしれないと。
メイクアップアーティストがオススメするコスメ
RiN:由佳ちゃんは京阪モールさんの「女子力アップセミナー」の講師もされたということなんですけど、そんな女子力のマスターと言うべき由佳ちゃんオススメのコスメはありますか?
広瀬:たくさんあるんですけど、その中で本当にオススメのものだけピックアップしようかと思っていまして。1つはレブロンの『スキンライト プレスト パウダー』という、一応パウダーになるんですけど、こちらはプチプラな商品なので近くのお店でもすぐ手に入れていただけるものになるんですが、私はこれを大体いつもハイライトとして使っていまして。
光のヴェールでツヤ肌に!光反射効果のある2種類のパウダーが、しわや毛穴など気になる部分を目立たなくし、くすみを飛ばして透明感アップ。ヘルシーなツヤ肌仕上げ。さらさらシルキーな質感をキープ。シーバムクリアパウダーが、汗や皮脂によるベタつきやテカリを抑えて、化粧崩れを防ぎます。つっぱり感や乾燥を防ぎ、しっかりと肌に密着して化粧の持ちをアップ。
レブロン株式会社 | レブロン スキンライト プレスト パウダー
RiN:ファンデーションの上にはたく?
広瀬:そうですね。最後に顔の高い部分と影をなくしてなくしたい部分に使ったり、今日はファンデーションをちょっと塗りたくないなという時は、下地の上にこれを軽く全体につけたりしています。
RiN:お仕事で使ったりもするんですか?
広瀬:はい。これは撮影にも対応の商品なので使えます。また、悪く目立たないんですよ。ある意味。すごくナチュラルで、でもカバー力が高くて色味もなじみやすくて。思いっきり白いのが出るのが嫌な人とかいると思うんですけど、そうならないのでお勧めです。
RiN:事前に何も言わずに(打ち合せの時に)いきなりオススメを聞いたら、すぐにカバンの中から出てきたので本当にオススメなんだろうなぁと思います(笑)。
広瀬:あとは最近見つけて自分でもお気に入りにしてるのが、ゲランの『キスキス ローズリップ』という口紅なんですけど、使い心地がリップクリームみたいで。
唇を潤しながらふっくらと整える、ゲラン初のティンティッド バーム「キスキス ローズリップ」。思わず触れたくなるようなソフトでなめらかな唇は、まるでローズの花びらのよう。やわらかな色と自然な輝きで唇を彩ります。6つのシェードは、摘みとったばかりのローズが持つ、繊細な色彩にインスピレーションを得たもの。うっとりするレッドカラーからロマンティックなピンクまで、気分に合わせて選べる、魅力的でナチュラルなカラーを揃えています。
KissKiss Roselip – Guerlain
RiN:めちゃくちゃ可愛い色。
広瀬:色がついてるように見えるじゃないですか。これね、その人それぞれの㏗値で色が変わるんですよ。塗った時は透明で、だんだん色が出てくるんですね。ローズヒップオイルが入っていたり、ヒアルロン酸が入っていたりで、すごく保湿効果が高いので使い心地がリップクリームみたいなんですよ。
RiN:その上にまた別の口紅を塗ったり。
広瀬:そうでもいいですし、このままでもいいですし。私は結構、肌が弱くて口紅も使えないんですけど、これは最近のヒットでした。
RiN:(商品の)名前もいいですよね。
広瀬:可愛い。テンション上がりますね。
化粧品の正しい使い方は?
RiN:最近クリームファンデーションに興味があって、使い方を調べてたんですけど、なかなか明確な答えをメーカーさんとかもはっきりと書かないんだなぁと言う感じで。すごく気になってたのが、クリームファンデーションの場合は「下地を塗る派」と「下地を塗らない派」に分かれるのが話題に上がってたりしていたので、由佳ちゃん的にはどう思いますか?
広瀬:あくまで下地って化粧品の持ちを良くしたり、保湿性があったりといった効果があるので、私はどちらにしても使うことはオススメはするんですけど、(下地が)なくて無理やり買わなくてもいいと思うんです。(下地が)あるのであれば、使ったほうがいろんな意味で化粧品の持ちが良くなったりと、目的があるので。
RiN:意外に奥が深いなぁと思って。本当に使い方次第というか、人それぞれというか。
広瀬由佳さんのプロフィール
専門学校講師にて、ネイルエキスポ・トータルルックコンテストで数年にわたり自身と生徒の優勝を含む賞を多数受賞
- 阪神なんば線ポスター、WEB、ヘアメイク&スタイリング
- 南海部品ポスター、WEB、カタログ、イベント ヘアメイク
- るるぶ別冊「お散歩ノート京都編」ヘアメイク&スタイリング
- 2008年 オリンピック公式ブック 一部ヘアメイク(撮影 篠山紀信)
- 関西一週間 メインヘアメイクとして廃刊まで誌面を担当
- 阪急系商業施設パンフレット+多数
- 京阪モール、女子力アップセミナー講師
- スポーツブランド「NIKE」ポスター撮影、ヘアメイク担当(サッカー日本代表、柿谷曜一朗、岡崎慎司 他スポーツ選手多数
- パナソニック、パナソニックセンター冊子「コトカラ」ヘアメイク担当
- NMB48、スタイリング、ヘアメイク担当多数(みさき公園ポスターなど)
その他多数
オフィシャルサイト
https://yukas-makeup.com/h2.html
あとがき
私はイラストレーターとして、イラストを描くお仕事もしています。
最近はデジタルで(MacやiPad、ペンタブレットなどを使って)絵を描くことが増えましたが、アナログ(手描き)で描くことも、まだまだあります。
手描きの場合は、いろいろな種類の紙や画材の中からその時々の素材を選んで描いていくのですが、意外と重宝しているのが、お化粧用のメイクブラシやアイシャドウチップ、ファンデーションを塗るスポンジなどです。
そういうメイク道具だけではなく、アイシャドウやチークなど、化粧品そのものを画材代わりに使うこともあるんですよ。
もちろんメイク用と画材用とは、ちゃんと分けています。。
イラストに使ったものを顔に使うことはありませんが、顔に使っていて使い切れなくなった化粧品や古い化粧品は画材にまわしたり、画材用にプチプラコスメを買ったりします。
女の子の顔を描く際、お化粧をするような感じで色を乗せていきますので、なかなかいい感じに描けるんですよ。
顔の立体を作って色を塗ることもありますが、そうなると気分はメイクアップアーティストですよ。w
ところが、いざ人間の顔にお化粧すると、これが難しい!
過去2回ほど、どうしてもと頼まれて人の顔にお化粧をしたことがありまして。(ちなみに2回とも男性です)
一番難しいのはビューラーですよね。
まつ毛をくるんとカールさせる器具ですね。
自分のまつ毛ですら、身を挟んで痛ええ!となりますから、人のまつ毛を挟むなんて怖くて震えちゃいますよ。
それをプロのヘアメイクさんは冷静に無表情に、キュッキュッサッサっとまつ毛を挟んでいくので「さすがプロだな〜」と、そんなところに凄く感心してしまいます。
そんなメイクのプロは影の主役、裏方ともいえる存在ですよね。
私は裏方さんが大好きです。