この記事は2019年7月に作成されたものです。
状況が変わったり、リンク先が変わっている場合があります。- 2019年3月6日(水)24時〜オンエアの一部とインタビューに基づいた記事です(敬称略)
- 3月13日(水)24時〜再放送
- 3月20日(水)24時〜再放送
- 3月27日(水)24時〜再放送
2019年3月のゲスト・マイノリティさんは、
『こどもにいいこと食堂・こどものお勉強お手伝い塾』主宰で、カラダにいいこと鍼灸整骨院院長 兼 経営者の山下新司さんでした。
こちらの子ども食堂&子ども塾では、子ども達が商店街の八百屋、精肉店、お米屋さん等で食材の買い物をした後、みんなで一緒にお昼ご飯を作ります。

子ども食堂(こどもしょくどう、表記は、子ども食堂に関する最初の著作のタイトルから取ったもの。以下、表記の違いは、団体名などから)は、子どもやその親、および地域の人々に対し、無料または安価で栄養のある食事や温かな団らんを提供するための日本の社会活動。2010年代頃よりテレビなどマスメディアで多く報じられたことで動きが活発化し、孤食の解決、子どもと大人たちの繋がりや地域のコミュニティの連携の有効な手段として、日本各地で同様の運動が急増している。
子ども食堂(Wikipedia)
目次
子ども食堂を始めたきっかけは?
RiN:本業は柔道整復師で鍼灸師、そして鍼灸整骨院を経営しているということですが、子ども食堂は院が主体となって主催しているもので、まさかとは思いますが個人でボランティアとしてやってるわけではないですよね?
山下:はい(笑)
RiN:大阪府守口市で子ども食堂と子ども塾を始められ、第一回目は2019年2月2日(土)に開催。始めようと思ったきっかけは何でしょうか。
山下:当院の副院長が、ある日僕に話があるということで相談してきた時に、地域のいろいろなボランティアをしたいということを話してくださったことがきっかけで、何かないかなと探していたらたまたま近くで別の方が子ども食堂をされていまして。子ども食堂って面白いなと思って。やるにあたって免許や保健所の何かとか支障があるんだと思っていたら意外とすぐてきることが分かって、ちょっとやってみようかということがきっかけでした。
RiN:副院長が山下さんに相談をもちかけたことから始まってると。相談される存在であったことも大きなことだと思います。「そんなんできるかいな!」という人なら相談してこないと思いますので。
山下:あはは(笑)
RiN:(子ども食堂の運営にあたって)特に何か資格がいるわけでもないんですね。
山下:そうですね。
RiN:駅から歩いて5分くらいにあるフリースペースを借りてされてるということなんですけど、駅から商店街を抜けて行ったところにあると。何故その場所でやることになったんでしょうか。
山下:地域のために色々ボランティアもしながら、実は、商店街をもっと活性化させようという活動もまた別にやってるんですけど、せっかく(子ども食堂を)やるのであれば、同時に商店街の活気とか元気づけることが一緒にできればいいなということで商店街を選びましたね。
RiN:反響はありましたか?
山下:「また次回も子供が行くと言ってたよ」と聞きます。保護者の方から聞いて嬉しかったのは、実際に子供食堂に子供を預けて、そのお子さんのお母さんが、子供が子ども食堂にいてる間に、普段、子供がいてできないママ友会を楽しめましたと言ってくれて。そう言う使い方というか、僕ら子ども食堂に子供を預けて普段できないことをやってもらうという。そういうのが嬉しかったですね。
RiN:お母さんも息抜きとストレス発散は絶対に必要ですよね。
食材の買い出しはすべて地元の商店街で
RiN:一般的に「子ども食堂」というのは、スタッフさんが作ってくれたご飯を子ども達が食べるという印象なんですけど、山下さんが主催されているところでは買い出しからしてしまう。凄いアイデアですね。
山下:これも他の方から意見をいただいたのを取り入れさせてもらったんですが、せっかく(子ども食堂を)商店街でやるのであればお店も全部揃いますし、スーパーが増えてきてる中で人と対面で物を買うという経験もなくなっているんじゃないかと。そういった経験も必要なので、子供さん達にも経験もしてもらえたらなという思いですね。
RiN:食材の買い出しは、地元の商店街だけで事足りるんでしょうか。
山下:はい、すべての材料が揃います。
RiN:第一回目のメニューは何だったんですか?
山下:カレーライスを作りました。
RiN:子供が大好きな(笑)カレーライスだとお米と野菜とお肉あたりが必要ですが、それもスーパーではなく。
山下:商店街の店舗で全部揃えて。
RiN:今はシャッター街とか色々問題が出てると思うんですが、八百屋さん、お米屋さん、精肉店がちゃんと(地元の商店街に)あるんですね。第二回目のメニューは何でしょうか?
山下:次回は豚汁とおにぎりですね。
RiN:お腹が減ってきますね(笑)。それを選んだ理由は?
山下:買い出しですね。商店街ですべて揃うメニューを考えるのが第一で、今回、老舗のお味噌屋さんが近くにありまして、そこの味噌を使いたいなということで豚汁に。
RiN:商店街に老舗の味噌屋さんが・・・すごいですね、土居の商店街。
まるで調理実習!子供たちみんなで作るご飯
RiN:こちらの子ども食堂では、調理実習のようにお子さんたちみんなでご飯を作るということですが、第一回目を終えて、大変だったことや予想外のハプニングなどありましたか?
山下:一番予想外だったのは、子供にカレーを作ってもらって食べてもらったんですが、子供たちの食欲を甘く見過ぎていて、想定していたよりたくさんお代わりをして、最終的にご飯が足りなくなってご飯を買いに走ったというハプニングがあって。そこは甘く見ていましたね。
RiN:分量的には一人前を少し少なめに作っていたとかではなく?
山下:ではなく普通に。
RiN:美味しかったということですね(笑)
山下:ということなんでしょうね。
RiN:実際に調理するのはお子さんだけで、大人はアドバイスをするだけなんですか?
山下:そうですね。(食材の)切り方とか手を添えてあげたりはしますけど。
RiN:それで本当にちゃんと(カレーライスが)できたんですか(笑)
山下:正直言うとちょっと野菜が固かったりとか(笑)。なかなかグツグツ煮えない、煮えきる前にルウを入れちゃったりして、味としてはちょっとアレだったんですけど(笑)。自分で作ったというのがね、すごい調味料になったんじゃないかと思いますけどね。
RiN:いいこと言いますね(笑)。みんなで楽しく(ご飯を)作ると普段より美味しく感じますしね。
「子供のお勉強お手伝い塾」とは?
RiN:ご飯を食べた後は14時〜16時の予定で「子供のお勉強お手伝い塾」ということですが。
山下:宿題や普段やってるドリルを持ってきていただいて、その場でやってもらう。ボランティアで現役大学生に何人か来てもらってるので、大学生に勉強を見てもらうという流れですね。
RiN:実質無料で勉強を見てもらえるというのは、めちゃくちゃいいじゃないですか。
誰でも参加できるの?
RiN:お子さんの参加資格はありますか?
山下:特にないですね。
RiN:大人も参加は可能?
山下:はい。
RiN:守口市民以外の方の参加は?
山下:大丈夫です。
RiN:実際に守口市民以外の方も来られました?
山下:住所を一人一人に聞いたわけではないですが、どこどこ小学校とかは聞いてたので、そこから予測すると大阪市からも何人か来られてましたね。
RiN:第一回目に参加されたお子さんは何人くらいですか?
山下:子供さんだけで20人集まりました。
RiN:参加されたお子さん同士がもともと知り合いだったというのは、ご近所さんならあると思いますが、子供同士が初対面という子もいましたか?
山下:いましたね。
RiN:一番年上のお子さんは?
山下:第一回目は小学校5年生ですね。
RiN:中学生も高校生も来ていいんですか?
山下:もちろんです。
RiN:子ども食堂に買い出しから参加したい場合はどうしたらいいでしょうか。
山下:買い出しから参加の場合は、できましたら事前に連絡いただいた方がいいと思います。
RiN:子ども食堂だけの参加でも塾の参加だけでも、どちらでも大丈夫ですか?
山下:はい、大丈夫です。
RiN:お子さんに関しては無料で、大人と大学生は参加費が300円かかるということですね。
障害やハンディキャップがあっても参加できる?
RiN:中には障害のあるお子さんや車椅子のお子さんも来られることがあると思いますが。
山下:初回はいなかったですね。
RiN:今後、そういうお子さんも参加できますか?
山下:はい、大丈夫です。一応事前に連絡いただければいいかなと思います。
ボランティアでの参加も大歓迎
RiN:子ども食堂をされているから、山下さんにはお子さんがいらっしゃるんだろうと思っていたら・・・。
山下:独身(笑)
RiN:聞こうと思っても聞きづらいことなので、恐る恐る聞いてしまいましたが(笑)独身でもお子さんがいなくても、子ども食堂はできるんですよね。
ボランティアの方もいらっしゃると思うんですが、人数は足りていますか?
山下:正直、足りてない状況で。初回の反省点は、ボランティアの数がちょっと少なかったということがあるので。
RiN:じゃあ(ボランティアとして)来てくれる・手伝ってくれる人が、いればいるほど助かるんですね。
山下:助かります。
RiN:ボランティアに興味がある人の中でも、こういう人だったらいいなという条件や希望はありますか?
山下:基本的にはどなたでも大丈夫なんですが、ボランティアになりますので特に見返りを求めない方ですとか、子供と楽しくできる方、その2点さえしっかりしていれば大丈夫かと思います。
RiN:子供好きというのは絶対必要ですね。交通費も出ないことを了承していただいて。
子ども食堂&子ども塾の詳細
開催地の京阪商店街内にある鍼灸整骨院院長でもある山下さんとスタッフさん、患者さんや大学生といったボランティアさん達が協力して、毎月1回開催予定です。


小学生以上でしたら子どもだけでの参加OKです。
毎月1回開催予定
【時間】
11:30〜スタート予定
【費用】
お子様(幼稚園児・小学生・中学生・高校生):無料
大学生・大人:300円
【対象】
幼稚園児・小学生・中学生・高校生・大人
※小学生以上はお子様のみの参加OK
※未就学児は親御さんとご一緒でお願いします
【会場】
京阪商店街レンタルフリースペース
大阪府守口市金下町1-4-4
※京阪土居駅、地下鉄谷町線太子橋今市駅から徒歩5分
- こどものお勉強お手伝い塾
【時間】14:00〜16:00
現役大学生が勉強を手伝ってくれるので、宿題かドリルを持ってきてください。
※基本的に体育と音楽以外はOK

お手伝いしてくださる人も募集中
TEL: 06-6993-4976
大阪府守口市金下町1-5-9
あとがき
私が子供の頃、両親は仕事が忙しく、幼稚園や小学生の頃から留守がちでした。
ここ数年「子ども食堂」という名称をよく聞くようになりましたが、私が子供の頃は当然ながら、子ども食堂はありませんでした。
ご飯はどうしていたのかというと、飲食店を経営していた時があったのでそこで食べたり、家のお手伝いをしてくれる人がいたり、祖母や歳の離れた兄が簡単に作ってくれることもありました。
中学生にもなると両親はさらに忙しくなり、朝ご飯は自分で作って、お昼はパンを買って行ったり学食で食べたり。
友達には「うらやましい!」とよく言われました。
お昼に好きなものを買って食べられるのがうらやましかったようです。
私は学食のメニューが大好きで、かつ丼などの丼物をよく食べていましたが(今思えば私の丼物好きはこの頃が影響しているのかも?)
それよりも好きなものは「お弁当」だったんです。
別にキャラ弁とか凝ったものでなく、おにぎりと梅干と玉子焼きがあれば幸せで。
なので私が買ってきたパンと、友達のお弁当をよく交換していました。友達に頼まれて・・・。
母親の手作り弁当よりも菓子パンが食べたい心境は、「隣の芝生は青く見える」なんですよね。
他の家庭よりもお弁当を作ってもらう回数が少なかったり、家で1人でご飯を食べることが多かったので、テレビドラマでサラリーマンの父親と専業主婦の母親の家庭を見ると、「こんな家、ドラマの世界だけやろ〜」なんて本気で思っていました。w
念のために補足しますと、両親は授業参観や運動会など行事ごとには必ず休みをとって来てくれましたし、遠足では必ずお弁当を作ってくれました。
母は料理好きで、めちゃくちゃ料理が上手です。
兄が中高生の頃は毎朝お弁当を作っていたのを見ていましたが、子ども達の朝ごはんを食べさせつつお弁当を作り、仕事に出る支度をする母親にとって朝のキッチンは戦場のようなものなんだ・・と思いました。
「普段やってあげられないから、この時くらいは絶対にする!」と決めていたそうです。
両親が忙しく働いてくれたおかげで大学まで行かせてもらったことは、もちろん感謝しています。
社会人になってからいろいろな目的で学校へ通うことがありましたが、そのたびに学費を稼ぐことは大変だと実感しました。
今では仕事で休みがなかったり徹夜したりという生活で、この生活にさらに小さい子供がいるとなると、働きながら家事・子育てをするのは本当に大変なことだなと思います。
少なくとも、私にとって子供の頃から高校生までの「一人の時間」は貴重な経験でした。
ほとんどの子供が「ほっといてよ!」とか「一人にしてよ!」「いちいち構わないでよ!」と、親に一度は言った(もしくは心の声で叫ぶ)はずですよ・・・。
何が言いたいかというと、「孤食」は必ずしも「不幸でかわいそう」なことではないということ。
ちなみに、
特に食事の際に孤独を感じてしまう「寂しい食事」のことだそうです。
つまり、孤独を感じず、寂しくも思わない場合は「孤食」ではない・・・?
他にも、
「個食」=「一種類しか食べ物がないこと」
無くすべき「孤食」はネグレクト等の虐待によってもたらされるものだと思います。
「子ども食堂」には、特にこれといった決まりや定義はありません。
地域や主催者によって内容は異なります。
子どものためだけの食堂もあれば、高齢者の食事会に子どもが参加している場合などがあるようです。
元々は、様々な「こしょく」を解消して、子どもの健康や教育環境の改善をしていきましょう。という取り組みだった「子ども食堂」は、ここ数年、「子ども食堂」=「貧困対策」というイメージが広がりすぎてしまい、来店しにくくなっている子どもや、親が子供に出入りを禁止するなどの問題がでてきているそうです。
「こしょく」の解消である子供食堂の対象は、貧困家庭でも裕福な家庭でも特に決まりはありません。
「誰でも参加できる」子ども食堂を一番初めに考えた人はもちろん凄いですが、それを「自分もやってみよう!」と決心して行動を起こしている人も、本当に凄いと思います。