世界初の「古典落語」×「ラップ」のコラボ|澄川白ボーさん(ラップ落語家/上方演芸界 和芸 澄川流一門)

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この記事は2017年12月に作成されたものです。

状況が変わったり、リンク先が変わっている場合があります。
  • 12月6日(水)24:00〜オンエアの内容に基づいた記事です。
  • 12月13日(水)24:00〜再放送いたします。

今回のゲスト・マイノリティさんは、
上方演芸界 和芸 澄川流一門 ラップ落語家 澄川 白ボーさんです。

白ボーさんは、元ラッパー、ダンサーから落語家に転身
「古典落語」と持ち前の「ラップ」をコラボさせた世界初のパフォーマンス、
「ラップ落語」
を生み出しました。

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白ボー
落語に出会って人生が変わりました!

ラップ落語って今までありそうだけど、無かったものですよね。

世界初の「ラップ落語」とは?

ベースの古典落語に、ラップの要素が散りばめられ、コミカルでファンキーに展開していく落語。
ラップと落語が融合した世界初のパフォーマンスです。

古典落語とは、一般に江戸時代から明治時代・大正時代にかけて作られたものを指すことが多い。それよりも新しい時代に作られた演目は、「新作落語」と呼んで区別される。なお、「創作落語」は関西の落語家たちによる造語である。(Wikipedia)

古典落語の、現代では使われていない言葉・単語や、当時の時代背景や世界観が好きです。
あと登場人物が大体、暇そうにブラブラしているところとか、いい加減なところとか、やたら失礼なことを言うところとか。w

落語の中の会話のやり取りは、とてもテンポが良くてリズム感があって、韻を踏むセリフもありますので確かに「落語とラップは合う」と思います。

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白ボー
初舞台のネタは、「もし、落語の小話をラッパーがやったら、、!?」というギャグ要素の強いネタでした。
落語よりもラップ要素が強かったです。ラッパーが落語に挑戦しているような感じ。
意外にウケが良く、たまたま居合わせたイベントプロデューサーの方に声をかけられ、次のイベントがその場で決まりました。

白ボーさんは初舞台を経て、本格的な古典落語に挑戦しました。

何故なら白ボーさんは今まで落語に興味がなく、全くの未経験
澄川流に入門するまで寄席に行ったこともなく、ちゃんと落語を聴いたことすらなかったそうです。

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白ボー
本来であれば落語が大好きで、師匠に弟子入りさせてください!とお願いするところ、僕の場合は入門してから後ほど初めて落語を聞くという、通常の逆の順番で入門しました。

何度も入門を断られたり、そもそもお弟子さんを取らなかったりで、諦めずに通い詰めた結果、やっと弟子入り・・・ということが現実にある世界だと聞きますし。

そんな白ボーさんは、何がきっかけで落語の世界へ入ったのでしょうか。

ラップ落語家になるには?

ラップ落語家を目指したのはいつ頃?きっかけは?

白ボーさんは元々、ラッパー、ダンサーとして多方面で活躍していましたが、和芸 澄川流一門 家元「澄川白舟」氏との運命的な出会いをきっかけに、落語家の道を志すようになりました。

実は白ボーさん、このラジオ番組を放送していただいている「ゆめのたね放送局」で音響のお仕事もされているんです。

2015年10月5日、白ボーさんがいつものように音響の仕事をしていた際、とある番組のゲストで放送局に来られた落語家 澄川白舟さんと出会いました。

当時は全く落語に興味がなく、落語家と実際にお会いするのも初めて。
そんな中、ラジオ収録中に白舟氏が語る「落語の魅力」が面白く、興味を持つようになりました。

収録後、白舟氏との話が盛り上がり、

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白舟
君、ラップやってんの!?
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白ボー
はい、やってます
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白舟
ラップと落語って似てるで!
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白ボー
はー、そうなんですね
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白舟
君、ラップ落語やってみいひん!?
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白ボー
やります

という感じで訳も分からないまま「ラップ落語」という言葉に可能性を感じ、弟子入り。
出会ったその日に入門することになりました。

そして、この2ヶ月後に「ラップ落語家 澄川白ボー」として、初舞台を迎えることになります。

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白ボー
スキンヘッドにハット、全身ジャージという出で立ちでゆめのたね放送局に来られた白舟氏。思わず、「あかん、やばい人きたーー!!この人の音響担当には当たりませんように、、」とシフト表をチェックしたところ僕の名前が書いてあり、渋々音響を担当することに。
その後、白舟氏の話を聞いて、イメージが一変。
落語の魅力に興味を持つようになりました。

「古典落語」に「ラップ」を取り入れた理由は?

実は白舟さんは、5年前から「ラップ落語」の構想をされていたようで、出来る人を探していたそうです。
ところが師匠・弟子に誰もリズム感のある者がおらず断念していたところ、偶然にも白ボーさんと出会い、ラップ落語の構想を実現することに。

お互いにとって運命的な出会いですね~。

白舟師匠の指導のもと落語の可能性を模索する中で、「古典落語」と持ち前の「ラップ」をコラボさせ、世界初のパフォーマンス「ラップ落語」を生み出すことに成功しました。

落語には話し方や立ち居振る舞いが改善する効果も

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白ボー
元々、人見知りで口下手、あがり症という人間だったので初舞台は緊張しました。そこから毎月舞台をこなすうちに、人前で話すことにもだんだん慣れてきました。
今ではスピーチすることの面白さに気付き、将来は話し方講座を開催し、話し方を多くの人に教える活動をしようと思っています。

学校の先生や講演をする方、講師の方々の間でも、落語は人気です。
授業や講演で「マクラ」や「落ち(サゲ)」を活用することで、スムーズに本題に入ったり、聴講している方々にも楽しんでもらえるようで。

噺の構成:マクラ、本題、落ち(サゲ)が基本構造

マクラ
本題への導入部である。自己紹介をしたり、本題に入るための流れを作ったり、また、本題でわかりにくい言葉の説明をさりげなく入れたりする。落語は「目の前の観客に対して語りかける芸能」である。一般的に、落語家はいきなり落語の演目に突入することはほとんどなく、まずは聴衆に語りかける雰囲気をつくるために挨拶したり、世間話をしたり、軽い小咄を披露したりしてから本題に入っていく。マクラは、噺の本題とセットになって伝承されてきているものが少なくない。

マクラの果たす役割は、小咄などで笑わせて、本題の前に聴衆をリラックスさせる、本題に関連する話題で聴衆の意識を物語の現場に引きつける、「落ち (サゲ)」への伏線を張る、などが挙げられる。古典落語の演題の中には、現在では廃れてしまった風習や言葉を扱うものがあり、それらに関する予備知識がないと、話全体や落ちが充分に楽しめないことがあり、6代目三遊亭圓生は、このような「解説のためのマクラ」の達人であった。(Wikipedia)

落ち(サゲ)
滑稽噺における噺の締めくくり、笑いをともなう結末のことであり、落語が、元来「落とし噺」と称されてきた所以である。「落ち(オチ)」は、現在では日常語としても当たり前に使用されている。落語においては、これを「サゲ」という場合がある。

人情噺の終わり方は「落ち」ではなく、「…という一席でございます」など説明のかたちで締める。また、寄席などでは演じ手の持ち時間が決まっていることが多く、時代的に判り難い「落ち」が出て来たなどの関係で、本来の「落ち」まで行かず、適当にキリのよいところで話を切り上げることも多い(Wikipedia)

落語を習うのには、落語サークル(落研)とまではいかなくても、落語教室に通う方法もありますね。

私の大学の同級生も就職活動の面接対策のため、落語教室に通っていました。
(テレビ番組の制作会社を志望)

ラップも落語も未経験でも、ラップ落語を出来るようになるの?

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白ボー
なります!コツさえつかめば。それをまず僕が証明します!
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りん
ラップや落語の上達に役立つものは?
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白ボー
YouTubeの動画です。ラップも落語も、実際のパフォーマンスの動画やレクチャー動画がアップされています。「学びはYouTube」になると言われている時代。いろんなことがYouTubeで学べます。
あとは、実際にLIVEや寄席に行く。実際に生で見ると、臨場感が全然違う。
肌で感覚を学ぶのにオススメです。
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りん
ラップ落語で心がけていること、気を付けていることは?
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白ボー
リズムとメロディを意識しています。
しゃべるように歌うのがラップなら、歌うようにしゃべるのが落語。
ラップも落語も、どちらもリズムとメロディが鍵。
ラップ落語を通じて、リズムの大切さを伝えたい。
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りん
普段から意識していること・やっていることは?
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白ボー
ごきげんな状態をキープできるように意識しています。
食事や習慣に気を配り、ごきげんなコンディション作りをしています。
ごきげんな波動をパフォーマンスを通じて届けるために。

病気や障害、ハンディキャップがあっても落語家になれる?

半丸亭寿近(せみまるていじゅにあ)さんという、視覚障害を抱える落語家さんがいらっしゃいます。

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白ボー
ラジオのゲストでゆめのたねに来られ、そのご縁から舞台を見に行きましたが、とても面白かったです。人間の可能性に勇気をいただきました。

落語は所作や目線の動かし方も重要なので、大変な努力をなさっているかと思います。
それでも、やってやれないことはない、やればできる、ということを自ら証明していらっしゃいますね。

また、落語につきものなものが「正座」ですが、これに苦労する方も多いようです。
慣れればコツは掴めるものではありますが、人によっては関節や筋肉に負担がかかる場合がありますので、決して無理はなさらないでくださいね。

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りん
落語を始めて辛かったことは?
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白ボー
落語に興味がない状態で始めたので、落語を好きになるのに苦労しました。
好きじゃないことは続けられないので。
師匠の落語や、落語の漫画や映画、名人の落語を聴いて、少しずつ好きになっていきました。

白ボーさんと落語の話題で盛り上がりましたが、今は本当に落語がお好きですよー。

落語噺は本当にたくさんありますので、どれかひとつくらいは笑いのツボにはまるものが見つかるはずです!

爆笑もの、馬鹿馬鹿しいもの、泣けるもの、純愛ものだったり、怖~い噺もありますので。。

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りん
落語を始めて嬉しかったことや印象に残っていることは?
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白ボー
幼稚園でラップ落語を披露した時に、幼稚園児がラップ落語を楽しんでくれて、すぐ覚えてくれたことです。

私も、幼稚園の時に落語のようなものを聴いた(観た)のが始まりだと思います!
その後、『寿限無』などの落語絵本を数冊買ってもらっていたので、子供にとっても落語は面白かったんだろうなぁ。

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りん
ラップ落語のやりがい・面白さは?
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白ボー
ラップも落語も、歴史のある文化。その2つの文化をどう融合して、新たな価値を創造できるか、挑戦することにやりがいを見出しています。

落語初心者にもオススメの落語

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りん
基本的なあらすじを知っておくと、テレビやラジオ、YouTube、寄席で落語を聴くときにより一層楽しめます。落語家さんや流派によって解釈が異なったりします。同じ噺を何度聴いても面白い古典落語には「ネタバレ」という概念は関係ない不思議。

『あくびの稽古』

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白ボー
あくびの仕方を教える教室に通うというシュールなお話。
こんな馬鹿馬鹿しいお話が落語にあるんだ!と衝撃を受け、落語がさらに好きになりました。

八五郎は、道で友人の熊五郎に遭遇した。熊さんは、これから芸の稽古に行こうとするところらしい。一緒に来ないかと誘われるが、この熊さんは以前にもいろんな習い事をかじったことがあり、歌の稽古をすれば長屋中の植木が腐り、踊りの稽古をすれば東の空に円盤が現れたというくらい何か芸を習う度に事件を引き起こしてきたので、八五郎は一度は断るが、習う内容が「あくび」という珍しいものであったため、興味が涌き、見学にだけ行くことにする。そんなわけで芸の先生宅へ行き、あくびの稽古は始まるのだが、一番やさしいという夏のあくびの内容というのでさえ、
「お~い…船頭さん…船を上手へやっておくれ…堀へ上がって、一杯ヤッて…夜は中へでも行って遊ぼうか…船もいいが、こう長く乗っていると、退屈で…退屈で…(フワァ~~)ならねぇや…」
という難しそうな内容であるため、熊さんは悪戦苦闘する。その上、熊さんは、「遊郭」のくだりになると必ずと言っていいほど脱線してしまう。先生からも終いには呆れられ、心ないことまで言われ始めたため、頭に来て怒って出ていこうとするが、そこに来て八五郎が居眠りをしていることに気づく。八五郎は、半ば八つ当たり気味にたたき起こされ、「お前らは稽古してるからいいけどよぉ…見てる俺は…退屈で退屈でならねぇんだよ。」とあくびを一発…これを見ていた先生は「あら?お連れさんの方が、御器用だ…」(Wikipedia)

『動物園』

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白ボー
サゲ(落ち)が秀逸で、スリルと臨場感があり、子供にも楽しんでもらえる演目です。

朝が弱く、力仕事が苦手で、口下手なため、仕事勤めが続かない男。ある日、ぴったりの仕事を世話してもらうことになった。午前10時出勤でよく、何も持たないでよく、しゃべる必要もなく、昼食・昼寝付き1日1万円だという。好条件に飛びついて紹介状を受け取った男が着いた現場は、なんと移動動物園。
移動動物園の園長は男に、虎の皮を渡した。目玉展示の動物である虎が死んでしまったため、残った毛皮をかぶって虎になりすませ、という。早速毛皮をかぶった男は虎の檻に入れられ、園長に虎の歩き方を教わった。園長は、前足の方向と逆に頭を向けると虎らしく見えるといい、男の前でやってみせる。
開園時間になり、多くの観客が虎の檻にやって来た。空腹だった男は、子供客の持っているパンほしさに思わず「パンくれ」とつぶやいてしまう。それを聞いた子供にパンを投げ込んでもらうが、四つんばいの姿勢なのでうまく食べることができない。仕方なく手でつかむが、とうとう子供に不審がられた。男はうなり声をあげて子供を泣かせ、なんとかごまかした。
空腹が極まり、タバコも吸えず、難渋する男。そんな中、動物園のアナウンスが「虎とライオンの猛獣ショー」の開催を告げた。男は事前に説明を受けなかったので、慌てふためいた。虎の檻の中にライオンが放たれて、男はパニックに陥った。ライオンはうなり声を上げながら男の耳元に近づいて、「心配するな、わしも1万円で雇われたんや」。(Wikipedia)

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りん
今後やってみたい落語の演目(ネタ)は?
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白ボー
「まんじゅう怖い」「時うどん」「寿限無」など有名な演目をラップ落語にしたい。世界に勝負に出れる、分かりやすく面白いネタをつくりたいので。

『まんじゅう怖い』

暇をもてあました街の者が数名集まり、それぞれ嫌いなもの、怖いものを言いあっていく。「クモ」「ヘビ」「アリ」などと言い合う中にひとり、「いい若い者がくだらないものを怖がるとは情けない。世の中に怖いものなどあるものか」とうそぶく男(上方では「みっつぁん」)がいる。他の男が「本当に怖いものはないのか」と聞くと、うそぶいていた男はしぶしぶ「本当はある」と白状する。「では、何が嫌いなのか」と念を押され、男は小声で「まんじゅう」とつぶやく。男はその後、「まんじゅうの話をしているだけで気分が悪くなった」と言い出し、隣の部屋で(あるいは、自分の長屋へ帰って)寝てしまう。
残った男たちは「あいつは気に食わないから、まんじゅう攻めにして脅してやろう」と、金を出し合い、まんじゅうをたくさん買いこんで男の寝ている部屋へどんどん投げ込む。目覚めた男は声を上げ、ひどく狼狽してみせながらも、「こんな怖いものは食べてしまって、なくしてしまおう」「うますぎて、怖い」などと言ってまんじゅうを全部食べてしまう。一部始終をのぞいて見ていた男たちは、男にだまされていたことに気付く。怒った男たちが男をなじり、「お前が本当に怖いものは何だ!」と聞くと、
「このへんで、濃いお茶が1杯怖い」。(Wikipedia)

上記のあらすじが難しくていまいちよく分からなかったという人のために、大変分かりやすいものがありました。

「あーまんじゅう怖いわー。俺アレ苦手なんだよねーマジで。」
「あー本当まんじゅう怖いなー。怖いから誰も持ってくるなよー絶対持ってくるなよー(チラッチラッ」
「あー怖いわーはやく目の前から消さないとー(モグモグ うわー怖いわー(モグモグ 美味すぎて怖いわー(モグモグ」
「あーお茶も怖いわー超怖いわ―。特に濃いめの玉露が一杯ほど怖いわー(チラッチラッ」

まんじゅうこわいとは (マンジュウコワイとは) [単語記事] – ニコニコ大百科

分かりやすーい。w

『時うどん』

知恵の働く兄貴分と少し足りない弟分が、夜道で屋台の立ち食いそば・うどん店を見つけ、うどんを食べようとする。代金は16文だが、弟分は8文しか持ち合わせがなく、「何だ、それだけか」と怒鳴った兄貴分も7文しかなかった。それでもかまわず兄貴分はうどんを注文し、店主の「うど〜んエー、そーばやうど〜ん」という客寄せの呼び声を、「やかましい」と文句を言ったり、そうこうするうちうどんができると、兄貴分は自分だけうどんを食べ、弟分が後ろから遠慮がちにつついても(うどんをくれ、という合図)、「待て待て」と言うだけ。ようやく、「そんなにこのうどん食いたいか」と渡してくれたどんぶりにはわずかなうどんが残っているだけ。勘定を払う時になると、「銭が細かいから数えながら渡す」と言って、「一、二、……七、八、今何時や」。うどん屋が「九つです」と言うと「十、十一、……十六。」歩きながら、1文足りなかったはずなのに、と不思議がる弟分だが、兄貴分からなん時と聞いて店主から時間の時を聞いて勘定を続けるからくりを教えてもらうと大喜びで、「わいも明日やってみよう」。

翌日、早くやってみたくて明るいうちから町に出た弟分は、昨夜とは別の屋台を見つけた。何もかも昨夜と同じにやりたくてたまらないので、「うど〜んエー、そーばやうど〜ん」と客寄せしろと店主に言いそのとおりにすると、やかましい、と怒鳴って「そんなら歌わせなさんな」と文句を言われ、うどんを食べながら、「待て待て」とか「そんなにこのうどん食いたいか」と1人で言うので、「あんた、何か悪い霊でも付いてまんのか」と店主に気味悪がられたり、最後には、「何や、これだけしか残っとらん」とつぶやいて「あんたが食べなはったんや」とあきれられる。それでも、勘定を払う段になると大喜びで、一、二……七、八、今何時や、と聞いて、「四つです」。五、六、七、八、……というオチで終わる。(Wikipedia)

落語としては恐らく『時そば』のほうが有名かとは思うのですが…

『時そば』=江戸落語
『時うどん』=上方落語

といわれるだけあって、関西人としては『時うどん』の関西感が大好きです。w

見どころはやっぱり、そば(うどん)をズルズル食べる仕草(音)ですよね。

『寿限無』

『無寿限』(じゅげむ)は、早口言葉あるいは言葉遊びとして知られる古典的な噺であり、落語の前座噺である。
生まれた子供がいつまでも元気で長生きできるようにと考えて、とにかく「長い」ものが良いととんでもない名前を付けた、という笑い話。縁起のいい言葉を幾つか紹介され、どれにするか迷った末に全部付けてしまった、という筋の場合もある。

以下はこの噺の主人公である赤ん坊に付けられる「名前」の一例である。日本で最も長い名前、としてしばしば語られる。

「じゅげむ じゅげむ ごこうのすりきれ かいじゃりすいぎょの すいぎょうまつ うんらいまつ ふうらいまつ くうねるところにすむところ やぶらこうじのぶらこうじ ぱいぽ ぱいぽ ぱいぽのしゅーりんがん しゅーりんがんのぐーりんだい ぐーりんだいのぽんぽこぴーの ぽんぽこなーの ちょうきゅうめいのちょうすけ」

寿限無、寿限無
五劫の擦り切れ
海砂利水魚の
水行末 雲来末 風来末
食う寝る処に住む処
藪ら柑子の藪柑子
パイポ パイポ パイポのシューリンガン
シューリンガンのグーリンダイ
グーリンダイのポンポコピーのポンポコナーの
長久命の長助

(ここでは、NHK教育テレビ「にほんごであそぼ」での紹介例に漢字を当てた。)
なお、落語家によって一部細かい部分での違いが見られる。(Wikipedia)

『出来心(花色木綿)』

世界初の「古典落語」×「ラップ」のコラボ|澄川白ボーさん(ラップ落語家/上方演芸界 和芸 澄川流一門) - 世界初の「古典落語」×「ラップ」のコラボ|澄川白ボーさん(ラップ落語家/上方演芸界 和芸 澄川流一門)
りん
私の大好きな噺は『出来心(花色木綿)』です!
昔、初めて買った大人向けの古典落語本の一番初めに載っていた話なんです。

間抜けな泥棒が主人公。
兄貴分にも見限られ「泥棒を廃業しろ」と宣告された泥棒は、何とか自分の実力を証明しようととある貧乏長屋に忍び込む。ところが、忍び込んだ部屋には空き家だと勘違いしそうなぐらい何もなく、おまけに物色している最中に何と家人が帰ってきてしまった。
あわてた泥棒はひとまず縁の下にもぐりこむ。入れ違えで入ってきた家人(八五郎)は、荒らされた室内を見るやものすごい勢いで部屋を飛び出し、何故か家主を連れて戻ってきた。
実はこの男、家賃を払えずに困っていたのだが、たまたま泥棒が入ってきたのをいいことに『泥棒に入られ金を持っていかれたから』と家賃を免除してもらおうと考えていたのだ。
八五郎からインチキの事情を聞いた家主は、「被害届を出すから」と彼に何を盗られたのかと質問。あせった八五郎は、家主が羅列した『泥棒が盗って行きそうな物』を総て盗られたといって急場をしのごうとした。
ところが、途中で布団(裏地が花色木綿で出来ていた)が出るや、それ以後に家主が挙げた洋傘や紋付、果てはタンスに至るまで総て「裏が花色木綿」と答えてしまったため話はどんどんおかしくなり、おまけに八五郎のインチキ話に激怒した泥棒が飛び出してきたため嘘は見破られてしまう。
結局、見つかってしまった泥棒は、家主に泥棒に入った理由を訊かれ、以前兄貴分に教わったとおり「出来心で」と答えて許してもらう。次に八五郎がインチキ話をした理由を訊かれ「つい、出来心で…」。(Wikipedia)

落語を本で読むことを「活字寄席」と言うのですね。
文字で読むと、自分の頭の中で自分の好きなように演じられるし、詳しい解説も載っていたのですっかり落語本にハマってしまったんです。

この噺を1本目に選んだ著者の感性も凄いなと思いました。
面白いのは当然?で、『出来心』の原作者は十返舎一九(『東海道中膝栗毛』の作者)なんですって。
教科書に載ってた人が・・・。

十返舎一九(じっぺんしゃ いっく、明和2年(1765年) – 天保2年8月7日(1831年9月12日))は、江戸時代後期の戯作者、絵師。日本で最初に、文筆のみで自活した。『東海道中膝栗毛』の作者として知られる。(Wikipedia)

「裏が花色木綿(はないろもめん)」というセリフが何回も何回も出てきます。
初めて読んだときは「花色」が何色なのか知らず、「淡いピンク色」を想像して読んでいました。

「木綿」は布地の種類と分かりますが、「花色」とはどんな色でしょうか?

現代でいうところの「青色」にあたるそうです。
「青い色に染めた木綿」という意味ですかね?

ちなみに「昔、初めて買った大人向けの古典落語本」はこちらです。

「出来心」「金明竹」「素人鰻」「お化け長屋」など、大笑いあり、しみじみありの名作二五篇。読者が演者となりきれる〈活字寄席〉。

古い本ですが、かなり有名ですよね?
紙書籍は1999年2月初版ですが、現在も人気本で販売中です。
電子書籍は2013年9月発売。

麻生芳伸さんの著書の中でもこの四季シリーズは読みやすく面白いですよ。
kindleストアでは何故か季節に合わせてセールをしている時があります。
(なので私は紙版と電子版の両方を持っています)
あと、紙版は人にあげちゃったりしたので何回か買いなおしています。。

聴くたびに “人生が開ける” ラップ落語

世界初の「古典落語」×「ラップ」のコラボ|澄川白ボーさん(ラップ落語家/上方演芸界 和芸 澄川流一門) - 世界初の「古典落語」×「ラップ」のコラボ|澄川白ボーさん(ラップ落語家/上方演芸界 和芸 澄川流一門)
りん
今後の夢や目標は?
世界初の「古典落語」×「ラップ」のコラボ|澄川白ボーさん(ラップ落語家/上方演芸界 和芸 澄川流一門) - 世界初の「古典落語」×「ラップ」のコラボ|澄川白ボーさん(ラップ落語家/上方演芸界 和芸 澄川流一門)
白ボー
世界的なエンターテイナーになること。日本全国・世界中で公演、ラップ落語のパフォーマンスをすること。世界的なスピーカーになり、口下手な日本人に話し方を教え、日本を盛り上げたい。

ラップ落語のニューヨーク公演を実現してください~!
古典落語(の英語版)自体が欧米でも人気がありますので、さらにラップバージョンなら絶対に注目されますよ。

特に『動物園』は外国人にも分かりやすい内容なんだそうです。

世界初の「古典落語」×「ラップ」のコラボ|澄川白ボーさん(ラップ落語家/上方演芸界 和芸 澄川流一門) - 世界初の「古典落語」×「ラップ」のコラボ|澄川白ボーさん(ラップ落語家/上方演芸界 和芸 澄川流一門)
白ボー
聴くたびに “人生が開ける” ラップ落語を通じて、日本全国、そして世界中に“人生が開けるキッカケ” を運びたい。
今までにいない落語家。落語の入り口を広げ、身近に感じさせる落語家。
落語をいろんな分野に応用し、よりポップに落語のパフォーマンスをする落語家を目指します。

澄川白ボーのラジオ番組『澄川白ボーのごきげんイノベーション! 』
日本最大級のインターネットラジオ局「ゆめのたね放送局」関西チャンネルにて
毎週金曜 21:30〜 全世界に向けて放送中!
http://www.yumenotane.jp/innovation

澄川流一門
http://sumikawaryu.com/

新作ラップ落語 ラジオ寄席

収録では、ブース内で新作ラップ落語のショートバージョンを初披露していただきました。ありがとうございます!

かけていただいたのは、古典落語の中でも有名な『道具屋』のラップバージョンです。

この『道具屋』という噺、実は白ボーさんが初めて挑戦した「古典落語のラップ落語」なんですよ。

世界初の「古典落語」×「ラップ」のコラボ|澄川白ボーさん(ラップ落語家/上方演芸界 和芸 澄川流一門) - 世界初の「古典落語」×「ラップ」のコラボ|澄川白ボーさん(ラップ落語家/上方演芸界 和芸 澄川流一門)
白ボー
古典落語のラップ落語を披露したのは2016年2月でした。
初めて挑戦した古典落語の演目は、「道具屋」。
95%の古典落語に、5%ラップの要素を入れました。
主人公の与太郎がラップ好きで、韻を踏めるような言葉を聞くと、所構わずついついラップをしてしまうという設定で、ファンキーに展開していくお話になりました。

元ネタの『道具屋』は言葉の掛け合い漫才のような展開で面白い噺なんですが、出てくる単語が難解なので、単語の意味を覚えると、より一層笑えますよ。

与太郎とは?

与太郎(よたろう)は落語に登場する架空の人物。「熊さん八っぁん」などと並ぶ、代表的な落語の登場人物である。
例外なくぼんやりした人物として描かれる。性格は呑気で楽天的。何をやっても失敗ばかりするため、心配した周囲の人間から助言をされることが多い。こうしたキャラクターから、与太郎の登場する噺は爆笑ものが多く、与太郎噺と分類される場合もある。さらに「愚か者」の代名詞となっており、楽屋の符丁としてこのような人物を表す際にも用いられている。
定職を持たずにぶらついていることが多いが、職を持っている場合は大工であることが多い。「大工調べ」では、棟梁の信頼が厚い職人として登場する。
「孝行糖」では親孝行ということになっている。(Wikipedia)

『道具屋』

甥っ子の与太郎は、働かないで遊んでばかりいるため、叔父さんは常にハラハラさせられている。
それでも、ほうっておく訳にはいかないと思い、自分が『副業』でやっている”あること”をやらないかと提案した。
「知ってるよ、アタマに『ド』の字のつくやつだろ?」
「何だ、知っていたのか」
「うん、泥棒!」
「道具屋だよ…」
(中略)
三人目の客
お次は田舎出らしい中年紳士。
「カメラの三脚か。ちょっと、それを見せてくれんか?」
「あ、それ…、足が二本しかないんですよ」
「それじゃ、立つめえ」
「だから、石の塀に立てかけてあるんです。この家に話して、塀ごとお買いなさい」
(古典落語『道具屋』より抜粋/Wikipedia)

試聴コーナー

お聴き逃しの方も大勢いらっしゃるかと思いますので、今回放送のラジオ音声を試聴用に公開させていただきますね。(公開期間未定)

「▶ボタン」をクリックすると、番組音声が再生されます。

あとがき

今回の収録でも、話す本職の方を前に私は、、またしても噛みまくりでした。

ここ最近、女子たちの間でも落語人気が高まっているとのことで、嬉しいなーと思っている私は落語ファンの1人でもあります。

古典落語を本で読むのが大好きなんです!

古典落語なんて聞いたことないわーとか、聞いても全然意味がわからへんという人も結構多いんじゃないかと思うんですが、実は子供の頃から絵本などで落語に親しんでたりするもので。

子供が知っている古典落語のなかでも有名なネタは『寿限無』ではないでしょうか。
あの長い名前を、小さい頃に覚えた人も多いと思います。
私も未だに覚えてます。。

子供にとっては早口言葉遊びと同じく、いかに早く言えるかが重要でした。

毎年、東京で行われている有名な「目黒のさんま祭り」も、元ネタは古典落語ですよね。
『目黒のさんま』(古典落語)を知らない人は、「なんで目黒で秋刀魚??」と不思議に思われるようです。

目黒のさんま(めぐろのさんま)とは落語の噺の一つである。さんまという下魚(低級な魚)を庶民的な流儀で無造作に調理したら美味かったが、丁寧に調理したら不味かった、という滑稽噺。落語界の中では秋の噺としてよく知られている。成立時期は不明。
3代目三遊亭金馬が得意としていた演目である。(Wikipedia)

このように意外と身近な存在の落語ですが、大人になっていざ寄席に行ってみても笑うポイントや落ち(サゲ)の意味がわからなくて、周りが笑ってるのにいまいち楽しめなかった。
という人も多いのではないでしょうか。

意味を考えている間に一席が終わってしまう・・・。

そういう訳で古典落語は、ある程度、落語特有の単語や言葉の意味、さらに登場人物や世界観を知っていると、漫才やコントと同じく面白いものなんです。

古典落語には、先ほどご紹介した白ボーさんの『道具屋』ネタに登場するフリーターの与太郎の他にも、ちゃんと名前がついているかなり個性的なキャラクターがいます。
複数のネタにまたがって登場する場合も同じ名前の人は一応、同一人物という世界観です。

熊五郎(熊さん・熊公)とは?

熊五郎(くまごろう)は、古典落語に登場する架空の人物。江戸落語・上方落語を問わずさまざまな落語で活躍している。
八五郎がおっちょこちょいとして描かれるのに対し、乱暴者として描かれる場合が多い。
お酒が何より大好きで、酒にまつわる失敗談も多々ある。
その一方で「まんじゅうこわい」に見られる知的でクレバーな面もあり、「子別れ」や「藪入り」などのように子供との競演もかなり多い。
主な職業は大工である。(Wikipedia)

八五郎(八っつあん・八公)とは?

八五郎(はちごろう)は、古典落語に登場する架空の人物。江戸落語を中心に活躍している。
通称「八っつあん」悪意はないが、軽々しくあけすけに喋ること」を意味するが、そのあだ名どおり相当うるさい性格で、しかもおっちょこちょいというキャラクターである。人の話を半分しか聞かず、『つる』などで見られるように騒動を巻き起こすパターンも結構多い。
吉原通いを趣味の一つとしており、その悪影響で坊主になってしまったことも。『妾馬』では侍に出世している。(Wikipedia)

この熊さん&八っつあんコンビが出てくる『粗忽長屋』(そこつながや)という噺があります。

『粗忽長屋』

『粗忽長屋』(そこつながや)は、古典落語の演目の一つ。
八五郎は、道端に人だかりができているのを見つける。昨晩ここで身元不明の行き倒れが出たので、役人たちが通行人に行き倒れの死体を見せて知り合いを探しているのだ。
八五郎は死人の顔を見るなり、「こいつは同じ長屋の熊五郎だ。そういえば今朝こいつは体の具合が悪いと言っていた」と言い出す。役人たちは「この行き倒れが死んだのは昨晩だから、今朝会ったというお前の友達とは別人だ」と言うが、八五郎は聞く耳を持たず、「これから熊五郎本人を呼んでくる」と言い残してその場を立ち去る。
急いで長屋に戻った八五郎は、熊五郎をつかまえて「浅草寺の近くでお前が死んでいたよ」と告げる。熊五郎は、「人違いだ。俺は生きている」と反論するが、八五郎に「お前は粗忽者だから自分が死んだことにも気が付かないんだ」などと言われているうちに、自分が本当に死んだのだと納得してしまう。熊五郎は自分の死体を引き取るために八五郎に付き添われて浅草観音へ向かう。
浅草観音に着いた熊五郎は、死体の顔を改めて「これは間違いなく俺だ」と言う。周囲の者は呆れて「この死体がお前のわけがない」と言うが、熊五郎も八五郎も納得しない。二人が「熊五郎の死体」を抱き起こして運び去ろうとするので、役人たちが止めに入り、押し問答になる。
すると熊五郎が「どうもわからなくなった」とつぶやく。「抱かれているのは確かに俺だが、抱いている俺は一体誰だろう?」(Wikipedia)

「粗忽」というのは、「そそっかしい」とか「おっちょこちょい」という意味です。
日常会話で使う人は少ないのでは・・・。

『粗忽長屋』は、ごくごく簡単で分かりやすいので落語をよく知らない人でも楽しめると思いますが、「粗忽」という言葉の意味を知っていると話しがすんなりと入ってきますよね。

他のネタには難しい言葉もたくさんありますので、ネットでも本も何でもいいので詳しい解説が入っているものでしたらボケやツッコミ、オチと言葉の絶妙なやりとりが理解できて、寄席に行っても前よりもずっと面白くなると思いますよ。

個人的に、故・立川談志師匠の『粗忽長屋』が大好きです。

YouTubeに動画がありましたので最後に 『粗忽長屋』と『出来心』の高座動画をご紹介します。
(本当に便利でありがたい!)

立川談志 『粗忽長屋』

柳家小三治 『出来心』

小三治師匠のマクラ面白いなぁ。。
おじやを食べる仕草(音)が神業です!(人間国宝でいらっしゃいます)

再放送のご案内

上記の内容は、
12月13日(水)24:00〜24:30 に再放送いたします。(木曜深夜0時〜)

次回オンエアの予告

12月後半の放送は、

ヘルプマークにまつわる色々なお話です。

    放送日は、
  • 12月20日(水)24時から(木曜深夜0時〜)
  • 12月27日(水)24時から(再放送)

お楽しみに〜。










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