この記事は2017年11月に作成されたものです。
状況が変わったり、リンク先が変わっている場合があります。- 11月15日(水)24:00〜オンエアの内容に基づいた記事です。
- 11月22日(水)24:00〜再放送いたします。
今回のゲスト・マイノリティさんは、ナレーターの鈴木菜月さんです。
現在、有限会社ワイワイワイ準所属のナレーター鈴木さんは、なんと!
まだ現役の女子大生なんです。
透明感のある声と話し方に、とても癒されました。。

目次
ナレーターとはどんな仕事?
ナレーション(英語: narration)とは、物語を語ること。映画や演劇などで「冒頭で物語を語ること」も「ナレーション」と呼ぶ。転じて、テレビ番組やCMなどで画面に現れない人物が、内容や状況などについて解説すること。また、その解説。
ナレーションをする者は「ナレーター」(英語: narrator)という。(Wikipedia)
テレビ等でお馴染みの「ナレーター」さんは、ひと言でいうと「声」のお仕事なので「人目につく表舞台には出ない、影の立役者」というイメージがあります。
もちろんナレーションが主役の番組もありますが、基本的に「主役」はCMであれば商品やお店であったり、番組によっては通行人や景色、出演者だったりするわけですよ。
視聴する上で欠かせない存在=声なので、ただ噛まずにスラスラと原稿を読めればいい・・・というわけにはいかないですよね。
感情のない棒読みでは伝わらないですよね。
耳障りの良い声を聴きたいですよね。
話し声がよければついつい聴き入ってしまうことって、ありますよね。
こうズラッと並べてみると、ものすごくハードルが高そうな雰囲気ですが・・・
それだけナレーターという存在は実は重要で、縁の下の力持ちであると考えています。
それでは鈴木さんが思い描くナレーターとはどんなお仕事なのでしょうか?

私もまだナレーターとはどうあるべきか、答えを見つけられずにいます。
ただ、私は言葉と込められた思いと、聞いてくれる方を大切にするナレーターになりたいです。もっとこうありたいというのはこれからどんどん増えていくんだろうなと思っています。
私が大学生の頃、車の中でFMラジオを聴いていますと、いつも決まった時間に道路交通情報が流れていました。
数名の女性がローテーションでアナウンスを担当されていましたが、私はツゲさんという方の出番が楽しみで。。
テレビのアナウンサーともラジオDJとも違う、落ち着いた声のトーンと抑揚が大人の女性というイメージでした。
何より美声・・・!
顔が見えない存在だからこそ憧れが強かったんだろうと思います。
「以上、JARTICのツゲがお伝えいたしました」と毎回締めくくっていましたので、どうやったらあの仕事ができるんだ??と、大学の就職課でJARTICを調べた思い出。。笑
「声」の職業といえば、昔に比べ今は特に声優さんが大人気の職業になっていますね。
以前は声優さん自体が表に出たり顔を出すことがあまりなかったため、アニメファン以外にはあまり馴染みがなかったように思いますが、近頃は「声優が歌って踊ってテレビや舞台に出るのは当たり前」みたいなので、大変だな・・・と思うことが度々あります。


キャラクターの声をやらせていただける場合には、そのキャラクターがたくさんの人に可愛がってもらえるような声をプレゼントしてあげたい…というようなことを考えています。
自分自身は常に作品やキャラクターの後ろでこっそり声を出している、おばけのような存在でいたいです…笑
「声の職業」の中でも「ナレーター」の道を選んだ鈴木さんですが、そもそも何故ナレーターに興味を持ったのでしょうか。
ナレーターを目指したのはいつ頃?きっかけは?

それから声の仕事にはどんなものがあるのか調べて、ナレーションが一番やってみたい!と思うようになりました!
分かります・・・!
このキャラクターもあのキャラクターも同じ声優さんがやってるの?!
と驚いたことは何度もあります。
鈴木さんは中学生の頃に観たアニメ「ヘタリア」の声の出演者一覧を見て、同じ名前の声優さんが複数キャラの担当をしていたことに大変驚いたそうです。
それがきっかけで声の仕事にはどんなものがあるのか調べて、ナレーションが一番やってみたい!と思うようになったとのこと。
声優さんの声の使い分けって本当に凄いですよね。
ちなみに当時のその声優さんは浪川大輔さん。
新ルパン三世シリーズの石川五右衛門や、HUNTER×HUNTERのヒソカ役などされている声優さんです。
また、 お母さまの影響も大きいそうです。
鈴木さんのお母さまは長らく「絵本の読み聴かせボランティア」されていました。
幼少の頃から間近で見てきて、文章を声で伝えること自体に興味をもったとのこと。
お母さまの声と似ているのか、特徴のある声なのかどうかは、小さい頃から聴いているためご自分では分からないそうですよ。
確かに、誰かに言われるまで自分ではなかなか分からないですよね~。
鈴木さんも、ご自身の声については周囲の反応で何となく自覚していったようです。

実は鈴木さん、二卵性双子のお姉さんがいらっしゃるんですよ!
「顔は似ているが、声は似ていない」そうです。
骨格によって声が異なりますし、声帯も人それぞれなので当然と言えば当然ですが、不思議ですね。
そういえば私の中学の同級生にも双子の女子がいました!
一卵性か二卵性かまでは記憶が定かではないですが、顔は本当にそっくりなのに声は全く違いました。
なので髪型と声で姉妹を見分けていましたね。。
ナレーターになるには?

どうすればなれるのかは自分で調べて考えて、時には誰かに相談して助けてもらって…
私は大学のアナウンスの授業の先生にたくさん相談させてもらいました。
先生のおかげと言っても過言ではありません。
鈴木さんは中学生の頃にナレーターを目指すようになったものの、高校までは地元の愛媛県でのんびりと学生生活を送ってこられました。
まだ、ナレーターになるために具体的に何をどうしたらいいのかまでは分からなかったそうです。
高校生の時、大学へ進学する際にどの大学に行こうか悩んでいた時に、学部のカリキュラムとしてアナウンスの授業を受講できる、関西の某大学の文学部に進学。
鈴木さんは、現在在学中の4回生です。
アナウンサー志望の友人たちに混ざり、基本的な読みの技術や、ラジオなどの番組制作についても学んでこられました。
アナウンスの先生には大変お世話になったそうで、大学卒業後の進路についてたくさん相談に乗っていただき、
やっぱりナレーターとして仕事をしたい!
という気持ちが一番強かったので、この道を選んだそう。
自分がやりたいことは何なのか?
それに気づくきっかけや気づかせてくれた人など、色んなことを積み重ねてきた結果なんですよね。
ナレーター関連のスクール・養成講座・セミナー等は?

確かに演技力も必要なお仕事ですよね。
事務所のオーディションのエピソードは?

悪いところも含めて嘘偽りなく自己PRしたかったので、ご自身を「うさぎと亀」の亀に例えたそうです。
「自分は物事を素早くぱっとできない。ナレーターになると決めてからも行動が遅かった。話すスピードも遅い」
ですが、
「今はまだこんな私ですが、しっかりとやります!」
という気持ちを表したとのこと。
オーディションは誰でも受験できる?受験資格・年齢制限等は?

オーディション情報についてはネット検索で色々な情報を入手可能かと思います。
スマホでたくさんの情報が集まりすぎて逆に選びきれないなんてこともあるかもしれませんね。
スマホ疲れ・ネット疲れの一因が「情報過多」であるということを聞いたことがありますが。。
私が中高生の頃はもちろんスマホなんてまだ存在していなかったんですが、当時はオーディション情報の雑誌がコンビニで売っていました。
ありとあらゆるオーディション情報が載っていましたし、新聞広告でもよく見かけましたね〜。懐かしい。
関西ではちょっとした演劇ブームだったんですよ。
ガラスの仮面も愛読していました。w
学校での演劇の脚本を書いたりしていたんですが、放送部だったこともあり、裏方もやりたいし演者もやりたいし、自分でも何がしたいのかよく分からない状態でしたね。
すっかり忘れていましたが、某劇団プロダクションの一般公募オーディションをたまたま見つけて(新聞広告だったような?)勢いで応募したことがありました。
なんと書類審査は通り、二次審査と入団後のレッスンや養成所の案内が送られてきましたが、有名な劇団ですし授業料も安くはないし、万が一、合格できた場合に真剣に勉強してそれ一本で食べていけるのか、やっていくつもりなのかを考えた結果、二次審査は辞退しました。
それで良かったのかどうかは今となっても分かりませんが、勢いでも応募してみて良かったと思っています。
一次審査に通ったことで何かしらの自信は持てました。
(さすがに二次や最終審査まで通過することができたとしたら、辞退することなくやれるところまで挑戦していたと思います)
うろ覚えですが身長体重や年齢制限については特に規定はなく、誰でも応募可能でした。
舞台以外にもドラマやCMなど幅広い劇団でしたので、色んな需要があるわけです。
その点は声のお仕事も同様だと思いますので、少しでも挑戦してみたい気持ちさえあれば、やってみて損はないと思います!
ナレーターに関連する資格は?おすすめの資格や有利なものは?

誰でもナレーターを名乗ることはできます。
話す仕事に関係ありそうな検定は、話し言葉検定でしょうか…
ちなみに私は持っていません!
はい、誰でも名乗ることができるのはデザイナーやクリエイターも同じくです。。
なってからが大変。
資格を持っていて不利になるようなことはないかと思いますし、資格を取るために何らかの勉強をしたり技術を磨くわけですから、ご自身の時間やお財布と相談して挑戦されてみてはいかがでしょうか。
アナウンス検定を取得される方もいらっしゃるそうですよ。
働きながら、または学生でも仕事・学校と両立してナレーターを目指すことは可能?

通っている人もかなり多いのではないでしょうか…。
私の知人も某有名声優学校に通っていましたが、そこはかなりハードらしく、声の仕事は体力も必要なんだなと改めて感じました。
都市部は数多く学校がありますので、ライフスタイルに合わせた学校が見つかるかと思います。
お仕事帰りに通える夜間コースなどもありますし、やる気があれば両立して目指すことは可能ですね。
個人的には全くの独学よりは、大学や専門学校、養成所なり学校へ通うのはナレーターへの近道でもあるように思います。


絶対にこれ!というものは存在しないので、自分がどんなナレーターになりたいのか、そのためには自分に何が必要なのか、それを見極めて努力することが大切だと思います。


自分はあくまで目に見えないお化けのような存在、黒子のような存在として、先に述べたことができたらやりがいを感じます。


これをやればナレーターになれるなんてこと、ものはないと思います。


例えば「お腹を使って声を出しなさい」と言われれば、
「お腹を使って声を出すための準備」をしたり、「何故そう言われているのか」ということを考えます。


日常の声以外の音、楽器の音とか色んな音を意識して聞いたり、本を読んだり、どんなものにどんな感情があるのかを考えます。
どんなに「楽しそうな声」を出そうと思っても、本当に顔が笑顔でないと声も笑っていないという話を思い出しました。
声・語りで感情の機微を表現するには、色んな感情を実際に知る必要があるんですね。






いろんなことを学んで、どんどん次に活かせるようにしていきたいです。
原稿の朗読
収録では特別に朗読をしていただきました。
ありがとうございます!
ただ「声を出して読む」のではなく、情景や登場人物の感情に鈴木さんなりの解釈を取り入れた朗読。
始まると、やはり空気が変わるというか、スイッチが入るというか、鈴木さんの朗読が始まると真剣に聴き入りましたよ。
高すぎず低すぎず聴き心地のよい素敵な声と語り口。
そして、当然ながら滑舌が良い。
日頃から努力されているんだなあと感じました。
今回の収録では本職の声の方を前に、私は緊張して噛みまくりでした。w
朗読していただいたのは、小説『坊っちゃん』(夏目漱石/作)の冒頭です。
大学のアナウンスの授業でも使用されていたとのこと。
読んだことのある方は多いのではないでしょうか。
青空文庫で無料で読むこともできますよ。(ありがとうございます)
おやゆずりの無鉄砲むてっぽうで小供の時から損ばかりしている。
小学校に居る時分学校の二階から飛び降りて一週間ほど腰こしを抜ぬかした事がある。
なぜそんな無闇むやみをしたと聞く人があるかも知れぬ。別段深い理由でもない。
新築の二階から首を出していたら、同級生の一人が冗談じょうだんに、いくら威張いばっても、そこから飛び降りる事は出来まい。
弱虫やーい。と囃はやしたからである。
小使こづかいに負ぶさって帰って来た時、おやじが大きな眼めをして二階ぐらいから飛び降りて腰を抜かす奴やつがあるかと云いったから、この次は抜かさずに飛んで見せますと答えた。
『坊っちゃん』(夏目漱石/作)より
あとがき
私は中学時代に放送部の部長をやっておりました。。
(鈴木さんも元放送部です!)
お昼休みや学校行事では放送室か放送席で校内放送やアナウンスをしたり音楽を流したり、マイクや音響機材を準備したり、、という日々がありました。
ちなみに放課後のBGMは「家路/遠き山に日は落ちて」だったような気がします。
ドヴォルザーク 交響曲第9番「新世界より」第二楽章のメロディに日本語の歌詞をつけたものだそうです。
哀愁ただよう曲で、好きです。
ともかく放送部は喋る以外に、裏方とか、けっこう色んなことをします。
メインのお仕事は、マイクに向かって話すこと。
マイクとスピーカーの向こう側にいる人たちに音声で伝えることですよね。
なのですが、それを全校生徒に聞かれてるなんてことは考えたこともありませんでした。
恥ずかしいとも思わなかったですし、噛まずにうまく話せるかな~くらいなものでした。
当然ながら、マイクとスピーカーを通した自分の声のことなんて特に気にしていなかったんです。
その当時、私がはまってたことが、演劇や声優さんの真似事なんですけど、小説や漫画を台本に見立てて声を出して読むことでした。
朗読のつもりはなく、演じているつもりでした。w
黒歴史ではないです。多分。
で、ついやってしまったんですよ。
誰でも1回くらいは自分の声を録音して聞いてみたことがあるかと思うんですが。
ありますよね?
今のデジタルなクリアな音声じゃなくって、私が子供の頃は、もうアナログのカセットテープですよ。
テープに録音した自分の声を聞いたことありますか?ありますよね?
それはそれは、残念を通り越して誰やねん?ていう、悲惨な声に聞こえるんですよ。
自分が想像してた声と全然違う、、ていうか何この変な声?と愕然としました。
そして、台本読みの趣味をやめてしまいました。
今こうやってラジオの番組をさせていただいて、初めの頃は自分の音声を聞くのがほんとに恥ずかしくて。
過去のトラウマがよみがえる〜。笑
でも、聞かないことには練習にも復習にもなりませんので上達しませんよね。
渋々、渋々、聞きまくったおかげで、今は自分の音声にはなんとか慣れました。
理想は「イイ声」と言ってもらえることなんですが。。
私が「イイ声」と思っている方は、、、
声優やナレーターとして活躍されている沢城みゆきさん。
(『新ルパン三世』の峰不二子役/『HUNTER×HUNTER』のクラピカ役/『宇宙兄弟』の女性宇宙飛行士、伊東せりか役など)
報道ステーションのナレーションもされていましたね。
めっちゃ好きです。
男性は子安武人さんの声が好きです〜。
(『ジョジョの奇妙な冒険』ディオ様役など)
他にも大塚明夫さん、平田広明さん、藤原啓治さんなど、書き出したらキリがないですが、男女とも低い声の方が好きで、、声フェチです。
ともかく声には全く自信がないので、とにかく聴きやすく!ということを毎回、意識しているつもりです。
この番組を聞いてくださった方に、「聴きやすい声」と言っていただけるのが本当に嬉しいです。
そして、「聴きやすい声」の代表と言えるナレーターの方々には憧れます。
鈴木さんは終始、謙虚で周囲への感謝の気持ちを語っておられました。
「自分もまだまだ勉強中の身ですが、ナレーターを目指している方へ、今の自分がお話できることが少しでもお役に立てるなら」
と、出演を快諾していただきました。
やはり最初の頃はナレーターの仕事だけではなかなか食べていけない世界ですので、ご両親は卒業までに事務所が決まらなければ普通に就職することを望まれていたそうです。
親心ですね。。
来春は大学の卒業を控え、今後ナレーターとしてさらに飛躍していくことと思います!
再放送のご案内
上記の内容は、
11月22日(水)24:00〜24:30 に再放送いたします。(木曜深夜0時〜)
次回オンエアの予告
12月前半のゲスト・マイノリティさんは、
世界初の「古典落語」×「ラップ」のコラボ、
上方演芸界 和芸 澄川流一門 ラップ落語家の澄川 白ボーさんに、お話を伺います。
- 放送日は、
- 12月6日(水)24時から(木曜深夜0時〜)
- 12月13日(水)24時から(再放送)
お楽しみに〜。