この記事は2017年4月に作成されたものです。
状況が変わったり、リンク先が変わっている場合があります。- 4月5日(水)24:00〜オンエアの内容に基づいた記事です。
- 4月12日(水)24:00〜再放送いたします。
- ゲスト出演者:渡辺 貴一さん(NPO法人ジャパン ヘアドネーション&チャリティ 代表理事)
今回のゲスト・マイノリティさんは、
100%寄付された人の髪の毛で作った『フルオーダーメイドの医療用ウィッグ』を、
頭髪の悩みを持つ18歳以下の子供たちに無償でプレゼントしている、
日本で唯一の特定非営利活動法人ジャパン ヘアドネーション&チャリティ(通称 JHDAC;ジャーダック)の代表理事 渡辺貴一さんです。
ありがとうございます。
目次

髪がつなぐ物語
世の中には様々な悩みがあふれていますが、「髪の毛」についての悩みを抱えている人もたくさんいます。
髪質だったり髪色だったり薄毛だったりの悩みはもちろんですが、病気や事故などで髪の毛を失った人がいて、そのことで人前に出ることが苦痛になったり自信をなくしてしまったり。
大人であれば、色々と人生経験を積んで辛くても笑顔で元気なフリをできる人もいるかもしれない。
たくさん流通しているウィッグから気に入ったものを選んで買って、何とか日常生活を送っている人もいるかもしれない。
ですが、子供用のウィッグはセミオーダーやフルオーダーでの対応になり、とても高額になるそうです。
子供は成長が早いのですぐに頭のサイズが変わるんですよね。
大人でさえ自分の髪の毛がなくなってしまうことに不安を感じるのに、子供が抱える恐怖はきっと私たち大人には計り知れないものだと思います。
そのような子供たちのために髪を寄付する人たちがいて、その髪をウィッグにして子供たちに届ける「仲介役」を善意で続けてくださっている団体があります。
ヘアドネーション(髪の毛の寄付)って?
老若男女・国籍年齢問わず、気軽に参加して頂ける髪の毛のボランティアです。
引っ張っても切れない髪なら、白髪やくせ毛があったり、パーマ・カラーを施した髪の毛でも、誰でもヘアドナーとして寄付することができます。
そしてなんと!
持病があっても、治療中や輸血・投薬中であっても出来るんです!
嬉しいな〜。
普段、誰かの助けを必要とする立場としては、誰かの助けになれることはとても嬉しく、誇りに思います。
無償で子供向けウィッグを作ることで社会貢献
JHDAC(ジャーダック)さんは、
「放っておけば捨てられてしまう髪の毛。でも、どうせ切るなら、ほんの少しの手間をかけて、誰かのために役立ててみませんか?」
という想いで、2009年に設立されました。
代表理事の渡辺さんは、やはりというか本業は美容師さん。
さらに、日本初のカラーリスト=ヘアカラーリングのスペシャリストだそうです。
美容師が、髪を切るという技術を使って世の中に貢献できることはないかと考え、欧米では当たり前となっていたヘアドネーションを、日本でもやってみようと思い立ったのが始まり。
今まで髪を生業としてお給料を頂いてきたので、髪で恩返しをしたかったのと、掃いて捨てられるだけの髪がもったいないなあという思いから、『One wig』が誕生しました。
そして同じく順番を待つ子供たちの人数は・・・134名
順番待ちの目安は、2017年3月時点の申込みで最長2年待ちとのこと。
少しでも早くウィッグの提供を受けられるように、学校や集団生活など義務教育の期間を楽しく過ごせるように、髪を必要としている子供たちやご家族にもこのヘアドネーションのことを教えてあげてくださいね。
『One wig』(ワン ウィッグ)って?
『One wig』とは、ジャーダックさんがドナーさんから寄付された髪の毛を使って、子どもたち(ドニー)に無償でプレゼントしているフルオーダーメイドの医療用ウィッグです。
子供たちの元へ出張し、頭のサイズを測る「採寸」を行い、ウィッグを発注します。


ウィッグは一度短くすると伸びないため、この時間がとても大事だそうです。
なりたいヘアスタイルが決まれば、近くの賛同美容室の有志の美容師さんにウィッグの仕上げカットをしてもらい、世界に1つだけのウィッグに仕上げてくれます♪
美容師さんが個室や間仕切りを準備して下さったり、営業時間外や休日に美容室を開放して下さるため、周りを気にすることなく過ごせるそうですよ♪
万が一入院中でも、病院での採寸やスタイルカットをしてもらうことも可能なんです。
(その場合は、予め病院や主治医の先生とご相談下さいね)
私の母も長期入院中に、仲良くなった美容師さんが好意で病院まで来てくださって、隣の公園のベンチで髪をカットしてもらっていました。
長年ショートボブなので毛先と前髪くらいしか切らないですが、嬉しそうでした。
当時飼っていた犬ちゃんが、いつもその様子をジーっと見つめていました。
ジャーダックさんのOne wigは『医療用ウィッグ』です。
ファッションウィッグのように、高温でコテを巻いたり、乱暴に扱うと劣化が早くなります。
人毛なので手触りや見た目は自然ですが、大変デリケートで髪の毛自体は再生しません。
取り扱いには十分に注意しましょう。
『One wig』の提供を受けるための条件は?
ジャーダックさんの『One wig』の提供を受けるために必要なことは、ただ1つ。
『18歳以下』であることだけです。
全ての費用をボランティアと寄付金で賄っていますので、お金は1円もかかりません。
受付は基本的にメールでの申し込み順とのことです。
どんな状況の子供たちが必要としているの?
「髪を失ってしまうこと」として思い浮かべる方が多いのは、抗がん剤治療を受けている状況ではないでしょうか。
他にも、手術跡や傷跡からは二度と髪の毛が生えてこなかったり、あまり聞かれない症状や精神的な原因であったり、生まれつきだったり。
ウィッグに使用できる髪の毛の条件は?
- 31cm以上の長さがあること(31㎝以下は間接的に役立てています)
- 完全に乾かしてあること(カビや雑菌の繁殖の原因になるため)
- 切り口を輪ゴム(ほどけないゴム)でしっかり束ね、同じ人の髪を一つにまとめてあること
- 引っ張っても切れない髪の毛(カラーやパーマをされていても、特別なトリートメント処理を施して髪質を整えます)
国籍年齢問わず、白髪でもくせ毛でも、持病があっても、治療中でも、輸血・投薬中でも大丈夫!
1体のウィッグには約30人分の毛束が必要
小学生~中学生の髪を失った子供たちは「ロングヘアー」に憧れることが多く、長ければ長い髪の毛(特に50㎝以上の髪の毛)ほど常に不足。
31cm以下の髪の毛の寄付も受け取っていただけますが、不足しているのは31㎝以上の髪の毛。
成長途中の髪の毛や、毛先の毛量を少なくするスタイルをされている場合も多いため、1人分の毛束からウィッグに使用できる髪の毛を採取すると、半分以下しか残りません。
一番需要が多い長さの髪の毛は、実は一番集まりにくいため、長ければ長いほどありがたいとのことです。
全国に広まる賛同美容室
関西はもちろん、北は北海道から南は沖縄まで全国に賛同してくださっている理・美容室がたくさんあります。
そして海外にも!
あなたの街のお近くにはありますでしょうか?
ジャーダックさんのホームページには賛同美容室一覧が掲載されています。
募金箱の設置や『One wig』を最後に仕上げるスタイルカット、ヘアドネーション活動をサポートして下さる理美容師さんも随時募集中だそうです♪
またジャーダックさんは、賛同美容室が増えることで、髪をバッサリ切る時に「寄付しますか?」という会話や、「ヘアドネーション」の文化が広まることを願っています。
ボランティアスタッフも募集
ヘアドーネーションに興味のある方や、寄付以外で何かできることをしたいとお考えの方、お手伝いされてみてはいかがでしょう?
平日10時~18時の間で1時間以上お手伝いいただける方は大歓迎だそうですよ。
ボランティア作業の一例
①作業ボランティア(事務局での郵便物の開封や、髪の毛の仕分け作業など))
②イベントボランティア(チャリティイベントや見学者の対応など)
③システムボランティア(メール対応や入力作業など)応募条件:20歳以上
未成年の方は保護者同伴の場合可/活動拠点であるジャーダック事務局 (大阪市北区)へ通える方/交通費は自己負担(参加費無料)
ヘアドネーションをご検討の方へ
賛同美容室以外の行きつけのサロン等でも、サロン側にヘアドネーションしたい旨をお伝えいただいて、了承を得られ、ウィッグ用に正しくカット・保管していただければ問題ないそうです。
しかし、サロン側に負担いただく作業が少なからず発生することから、協力いただけない場合もあるようです。
寄付もボランティアも「自由参加」であり、強制ではありません。
この活動を理美容師さんに伝えていただいただけで一つの「ボランティア」として有難く思います。
また、カット後の髪型(仕上がりイメージ)は、美容師さんにお任せするだけでなく、お互いにコミュニケーションをしっかりととりながらカットを行ってください。
※いかなるトラブルが生じても、JHDACでは対処いたしかねます。
支援をご検討の方へ
ジャーダックさんが活動・運営を続けていくためには、髪の毛の寄付と共にさまざまな資金が必要となります。
子どもたちに無償でプレゼントしている『One wig』は、寄付された髪の毛を使用しますが、一人一人違う髪質の毛束を均一にするトリートメント処理費用や輸送費など、1体に約10万円の製作費が必要となります。
多くの子どもたちが病気と闘いながらウィッグを何年も待っている。
この順番待ちを解消するためには、更に多くの資金が必要です。
髪の毛とともに寄付金が集まることで、より早くウィッグを製作することが可能となります。
あとがき
『One wig』は、寄付金や、寄付された髪の毛によって作られる世界に1つだけのウィッグ。
「無償」ですが、たくさんの善意の人たちの時間と労力が注がれています。
希望される子供たちや保護者の方々には出来る限り大切に扱っていただき、長く愛用してくださいね。
また、ボランティアはもちろん、髪の毛の寄付もお金の寄付も強制ではありません。
万が一、抗がん剤治療を受けることがあったり、何かの機会に髪を切ることがあれば、
「あ、そういえば」
と思い出していただければ幸いです。
私の髪はやっと胸のあたりまで伸びましたが、、まだギリギリ短いのですって。
ずっとすいていないから束感も出てきて、横の短かったところもだいぶ追いついてきました。
ここまできたらもっと伸ばそう。

再放送のご案内
上記の内容は、
4月12日(水)24:00〜24:30 に再放送いたします。(木曜深夜0時〜)
次回オンエアの予告
4月後半のゲスト・マイノリティさんは、
30才でプロキックボクサーデビュー後、王者となり、K-1にも参戦、44才にして挑んだMMA(総合格闘技)タイトルマッチにて見事チャンピオンとなりました、
SFKキックボクシングジム代表の寒川慶一さんに、お話を伺います。
放送日は
- 4月19日(水)24時から(木曜深夜0時〜)
- 4月26日(水)24時から(再放送)
お楽しみに〜。
NPO法人ジャパン ヘアドネーション&チャリティさまのホームページへどうぞ。
Japan Hair Donation & Charity
https://www.jhdac.org/